ザッツ・エンタテインメント(1974年 アメリカ MGM) 監督・脚本・製作 ： ジャック・ヘイリーJr. 出演 ： フレッド・アステア、ビング・クロスビー、ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ミッキー・ルーニー、ジェームズ・スチュアート、ライザ・ミネリ、エリザベス・テイラー、ピーター・ローフォード、ドナルド・オコーナー、フランク・シナトラ

---MGM50周年記念で作られた、MGMミュージカルの傑作シーンのハイライトを綴るアンソロジー作品---

☆「雨に唄えば」と「パリのアメリカ人」を観て、雷にうたれたようになっていた頃に観る機会があり、すっかりMGMミュージカルに魅了されてしまった作品。そこに登場するどの作品もリアルタイムで知らないものだから、もうカルチャーショックに近いものが。凄い！楽しい！美しい！三拍子見事に揃ってしまったのだ。今観ても 全く色褪せない、まるで宝石箱を開けて見てるかのよう。その輝きが過去に生まれたものだから・・今同じようなものと出逢うのは殆ど不可能に近いから・・そのような想いがなお愛を強くしているのかも知れない。大好きなジーン・ケリーの笑顔とダンス、アステアのエレガントなステップ、クロスビーの粋な歌声、ジュディ・ガーランドの 天才的な歌唱、若いシナトラ、チャーミングなオコーナー、セクシーなシド・チャリシ、華麗なるタップのアン・ミラー、イイ男すぎるクラーク・ゲーブル、水着の女王エスター・ウィリアムズ・・見つめて、聴いているだけでうっとりしたり楽しくてたまらなかったり。忘れられない珠玉の作品だ。
☆この映画を観てて何がいいかというと、天才の仕事ぶりを見る悦び。それが一番かも知れない。バスビー・バークレー、ヴィンセント・ミネリ、スタンリー・ドーネンといった監督達のアイデアとセンスが炸裂しているかのような演出。アステアやジーン・ケリーの振付の独創性。クロスビーやガーランド、シナトラ達のあまりに魅力的な歌声と表現力、 エレノア・パウエルやアン・ミラー、シド・チャリシの卓越したダンス、エスター・ウィリアムズやミッキー・ルーニーの唯一無二の個性、CGのなかった時代に素晴らしいセットを作り上げた美術チームの緻密な仕事ぶり・・凄いんですから。セットでこんなものを作ってしまうなんて・・と吃驚するようなものばかり。そしてガーシュウィンやコール・ポーターはじめ、 歌われる歌曲の色褪せぬ魅力、音楽の楽しさ美しさ。これらの作品を作り上げた全ての偉大な天才達に敬意を表したくなる。