海の上のピアニスト(The Legend of 1900 , 1999年 イタリア、アメリカ ファインライン・フィーチャーズ) 監督 ： ジュゼッペ・トルナトーレ 原作 ： アレッサンドロ・バリッコ 脚本 ： ジュゼッペ・トルナトーレ 製作 ： フランチェスコ・トルナトーレ 音楽 ： エンニオ・モリコーネ 撮影 ： ラホス・コルタイ キャスト ： ティム・ロス 1900 （ヴァージニア号のピアニスト） プルート・テイラー・ヴィンス マックス （通称コーン。トランペッター） メアリー・ティエリー 少女 （ヴァージニア号の乗客） クラレンス・ウィリアムズ三世 ジェリー・ロール・モートン （ジャズ・ピアニスト） ビル・ナン ダニー・ブートマン （ヴァージニア号の石炭炊き。1900の育て親） ピーター・ヴォーガン 楽器店のオーナー

ゴールデン・グローブ賞 最優秀音楽賞受賞
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---客船で生まれ、一度も下船しなかった天才ピアニストの数奇な人生について 落ちぶれたトランペッターが語る---

	☆乗船した人達だけが知っている天才ピアニスト。船で捨てられ 拾われて育てられたため、法の上では存在していない幻のような人。生まれた年の 1900（ナインティーン・ハンドレッド）と呼ばれている。一度は下船の決意をしたものの 無限のような大きさに感じられた陸で自分の人生を展開する気がなくて、引き返す。そのまま人生の全てを客船と共にした人。 親友の回顧シーンによるストーリーの展開が良くて、エンニオ・モリコーネの音楽がとても良くて、そしてそしてティム・ロスがいい〜〜〜レザボア・ドッグス見た時から気になってたけど、ファンになったね、もう。見ると見る程好きになる。どうしましょ。

☆赤ちゃん・子供時代を経て大人になった1900の登場シーンがいい。嵐にもまれる船の中で ピアノのストッパーをはずし、ダンスホールをまるで遊園地のティーカップよろしくぐるぐると回りながら ピアノを奏でるシーン。好きで好きで 落ち込んだらこのシーンを見よう・・と思うくらい気に入ったので、DVD買ってきた。撮り方よし ピアノ音楽よし ガラスに つっこむ時のティム・ロスの顔よし ティムのタキシード姿よし 喋り方と声よし 彼が大人になった1900と知らしめるセリフよし 廊下にあふれる靴よし 最後のオチもよし、最高です。大好き。

☆思うに これは20世紀へのオマージュのようにも感じられる。目前に迫った新世界と 目新しいさまざまなものに心奪われて、過去を忘れてしまわないように・・どんなに多くの物が豊かにあふれようと、本当に無限なのは 個々の人間の持つ力と可能性なのだ とこの映画は教えてくれた。 ☆一つだけ。凄いピアノ演奏を聴いていると、手が何本もあるんじゃないか・・と思うことが確かにあるが、実際に映像を重ねてそのように撮影したシーンだけが心残り。本当に凄い演奏って近寄れないようなオーラがあるから、カメラもひいて撮ってほしかったなぁ・・と思う。作り過ぎるとあざとくなるから。私も一応ピアノ弾きのはしくれなんで そう感じた次第です。